2013年10月22日火曜日

哲、久々の写真展

ウチの旦那の中学時代からの親友のSさん。中学の頃、「今から行くわ」と電話をかけて来てやって来たのはその3日後だそうだ。そんなのんびり屋の親友は今では印刷会社の社長。2年ごとの上賀茂コンサートを始め無理なお願いをきいていただいてまったく頭が上がらない。

さて来月11月20日から25日まで松ヶ崎涌泉寺で旦那の写真展を行う。その前の展覧会がいったいいつだったのか思い出せない位前になるので今回は本当に久しぶりの展覧会だ。場所がお寺の庫裡のお部屋を使わせていただいての展示なので和室に見合う様に展示方法にも工夫を凝らしている様だ。

今時の写真といばデジカメが主流なのだが、アナログの旦那は今もスライドフイルムを使用している。デジカメは使わない。あえて使わないのではなくて正確には使えないのかも知れない。
しかしその写真の世界もここ10年~20年でフイルムカメラは見事に衰退する一方。ましてスライドフイルムなどプリント自体危ぶまれる。現に20年程前には当たり前の様にできていた旦那の指定の印画紙が今は製造されていないらしく、当時の色上がりが期待できないそうだ。
多くの写真家の期待に応えるため、多くの技術者が長年構築してきたであろうプリント技術が一瞬にして消え去る社会。これは写真に限った事ではない。

50年程前の「暮らしの手帖」という雑誌を古本屋で見つけて見てみると当時の劣悪な家電製品の事が痛快なまでに批判してあった。当時販売されたばかりの食洗機は汚れが全く落ちず購入した人から感想を求めても「腹が立ってコメント出来ない」と連絡が来たとのこと。そんな劣悪な商品を平気で販売していたのだから家電を始め多くの商品が高度経済成長の中で切磋琢磨しながら技術を向上させてきたのだろう。それと同時に売れない商品はどんどん切り捨てられるそんな社会も生み出してしまったのだ。

今回の展覧会には20年前の懐かしい写真も何点か展示する様だ。今はその色上がりが出せない当時の貴重なプリントを見ていただきたい。久しぶりに押入れの奥から引っ張り出した写真には小さな虫食いの穴が開いていた。これも20年の歴史の賜物、アートだ。

展覧会の案内状の印刷を親友Sさんに依頼している。開会1ヶ月前を切ったが案内状がまだ届かない。のんびり屋はいまも健在だ。

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